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紙にも和と洋がある!? 「和紙」と「洋紙」の違いとは
新聞紙や本、コピー用紙など、身の回りを少し見渡せば、あちらこちらに紙は存在しています。日常的に使っているものは洋紙が多く、和紙は書道に使う半紙やポストカードなどの文具があり、ユネスコの無形文化遺産に登録されたことで手すき和紙が注目を集めました。
今回の記事では、原料や製法などから洋紙と和紙の違いについてご紹介します。
紙の東西!? 和紙と洋紙それぞれの特徴
個性が際立つ和紙
少し凹凸のある表面や繊維が見える質感など、和紙といえば「手作り感」や「あたたかみ」などの風合いが特徴といえます。紙としての強度が高く、長期間の保存に耐えます。しかし、手間ひまがかかることから価格は洋紙に比べ高く、生産量が少ないためどこでも買えるというわけではありません。圧倒的なコスパの洋紙
滑らかな表面で印刷や手書きに向き、実用的なのが洋紙です。機械による大量生産が可能で品質は一定、和紙より安価でスーパーやコンビニでも手に入る手軽さから、コストパフォーマンスの良さは抜群といえるでしょう。しかし、変色などの劣化が起こりやすいという特徴があります。和紙と洋紙の質感の違いを生むそれぞれの製法
和紙の場合
和紙には大きく分けると3つの工程があります。・煮熟(しゃじゅく) 繊維を抽出しやすくするために原料を加熱処理すること
・叩解(こうかい) 抽出した繊維をたたいて細かくすること
・抄紙(しょうし) 細かくした繊維をもとに紙をすくこと
和紙の場合、製造過程で原料となる繊維を痛めることが少ないため、紙をすくときに繊維同士がよく絡んで強度が上がり、保存性が高くなります。日本最古(700年頃)の和紙が奈良県の正倉院に現存しているといわれています。
洋紙の場合
洋紙の場合は大きく分けて4つの工程があります。・パルプ化 原料から繊維を抽出する工程
・調成 繊維を細かくして薬品を調合する工程
・抄紙 繊維を結合させる工程
・仕上げ 表面を滑らかにするなどの加工をする工程
繊維を短くした上で薬品を使って結合させるため、紙の劣化が和紙より早くなります。紙そのものの色の調整やインクのにじみ防止などの加工がされるため、使いやすさは圧倒的です。機械による大量生産ができるようになったのは、19世紀ごろからとされています。
植物由来の和紙とさまざまなものを原料とする洋紙
和紙の原料は、ミツマタ(三椏)やガンピ(雁皮)、コウゾ(楮)などの植物です。かつては野生のものが採取されたり、農閑期に畑の周辺で栽培されたりしていたようですが、現在では輸入品を使うことが多くなっているといわれています。洋紙の場合は、針葉樹や広葉樹などの木材、サトウキビや竹などの植物、古紙、合成繊維などがあり、原料の種類が豊富なことが安定した大量供給を実現しています。
見た目や質感をはじめとして、原料や製造方法からくるさまざまな違いが和紙と洋紙にはあります。手すきの和紙を使うことで、いつもとは違う特別感を演出することはできるでしょう。大切なお客様や取引先への感謝を和紙で表現すれば、気持ちの伝わり方が変わってくるかもしれません。普段使いの洋紙と特別なときのための和紙という二段構えで、印刷物の差別化をしてみてはいかがでしょうか。
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