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時候の挨拶の例文|季語や天候を用いた情景を起床させる表現
「四季折々」という表現を誰もが一度は耳にしたことがあると思います。 恵まれたことに日本は、諸外国に比べて四季の変化に富んだ国です。春には咲き誇る桜に見とれ、夏には暑さしのぎに涼を求め、秋には山を彩る紅葉に感嘆し、冬は厳しい寒さに耐えて暖をとる――このように日本では、それぞれの季節ごとに過ごし方や見ることのできる景色が異なることが特徴だといえます。 古来よりそうした季節の変化を楽しむことに貪欲だった日本人は、四季折々の美しさを敏感に感じ取る繊細な心を持ち合わせています。そして、それは挨拶状や手紙においても同様です。 節目のご挨拶や家族や友人に宛てる大切な文章には、時候の挨拶を用いることで季節や天候などの情景を想起させる、味わい深い表現を取り入れてみませんか?時候の挨拶とは?
挨拶状や手紙において冒頭の頭語の下にくる季節や天候などの表現を織り交ぜた礼儀文が時候の挨拶です。
四季の文化を楽しむ日本人ならではの表現が特徴の文章であり、季節感を演出するのはもちろん、格式や礼節を感じさせる文章となっています。
言葉遣いや表現が通常の文章より少し難しく、堅い面もありますが、その内容はそこまで難しいものではありません。
「長袖でも過ごしやすい季節になりましたね」「春の到来を感じる温暖な気候が続いています」のように実は
季節や天候について世間話でも話すような内容であり、フレーズがある程度決まっているので、表現方法と適切な使い方さえ覚えてしまえば、時候の挨拶を書くのはむしろ簡単ともいえるでしょう。
こちらでは、時候の挨拶の季節ごとの定型文をご紹介します。
春の例文 | 夏の例文 | 秋の例文 | 冬の例文 | ||||||||
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
春(4・5・6月)の例文
4月 ~桜を筆頭に春の花咲く季節~
4月は年度の始まりであり、入学、就職など人生の転機を迎えるイベントが多い時期です。多くの花が咲き、気候は温暖なため、花見をしながら酒盛りしている姿が各地で多く見受けられます。
4月によく使われる時候の挨拶 |
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「陽春の侯」、「桜花の候」、「温暖の候」、「春和の候」 「色とりどりの花が咲きそろう季節となりました」 「春もたけなわの頃となりました。」 「葉桜の季節となりました。」 「桜見物の好季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。」 「花便りも伝わる今日このごろです。」 「新入生のランドセルが春光に踊る季節となりました。」 「温暖で誠にのどかな春の季節となりました。」 「今年も燕(つばめ)が飛来する季節になりました。」 |
5月 ~新緑が生い茂る清々しい季節~
5月は新芽が生え始めるなど、緑が印象的な季節です。一年でもっとも過ごしやすい時期でもあり、長期連休として定着しているゴールデンウィークもあります。
5月によく使われる時候の挨拶 |
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「新緑の侯」、「藤花の候」、「軽暑の候」、「晩春の候」 「鯉のぼりが気持ちよさそうに泳いでいます。」 「牡丹の花が咲き誇る季節となりました。」 「緑照り映える季節になりました。」 「五月の空が気持ちよく晴れわたっています。」 「風薫る季節となりました。」 「半袖姿も見られるようになってまいりました。」 「立夏を過ぎましたが、まだ春の名残りが感じられる昨今です。」 「田を渡る風が気持ちの良い季節となりました。」 |
6月 ~蒸し暑くジメジメとした梅雨の季節~
6月はシトシトと降りそそぐ雨が特徴的な季節です。蒸し暑く少し過ごしにくい気候になりますが、雨の景色に紫陽花などの梅雨の花が存在感を示します。
6月によく使われる時候の挨拶 |
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「梅雨の侯」、「五月雨の候」、「紫陽花の候」、「薄暑の候」 「梅雨に入り、うっとうしい毎日が続いています。」 「紫陽花の色が美しく映えるころとなりました。「 「心もめいる雨の毎日を迎えております。」 「青田を渡る風も快く感じられる頃となりました。」 「清流に鮎が踊る頃となりました。」 「梅雨の晴れ間にのぞく青空に夏らしさが垣間見えます。」 |
夏(7・8・9月)の例文
7月 ~梅雨が明けて夏本番を迎える季節~
7月は雨の多い梅雨が明け、本格的な暑くなり始める季節です。季節の変わり目に暑中見舞いやお中元など、大切な方に贈り物を届ける時期でもあります。
7月によく使われる時候の挨拶 |
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「盛夏の侯」、「猛暑の候」、「炎暑の候」、「灼熱の候」、「夏祭の候」 「暑中お見舞い申し上げます。」 「七夕の笹がわずかな風に揺れています。」 「降りしきる蝉の声に夏の盛りを感じる頃になりました。」 「故郷の夏祭りが懐かしい頃となりました。」 「白南風が、ようやく梅雨明けの知らせを届けにやってまいりました。」 「夏の日盛りに木陰の恋しい季節となりました。」 「海開きの便りが聞かれる頃になりました。」 「空の青さが真夏の到来を告げています。」 |
8月 ~灼熱の太陽が照りつける真夏の季節~
8月は真夏の太陽が眩しい一年でもっとも暑さが厳しい季節です。中旬にはお盆もあり、多くの方が夏休みを地元や実家で過ごすため、帰省ラッシュが夏の風物詩となっています。
8月によく使われる時候の挨拶 |
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「残暑の侯」、「晩夏の候」、「立秋の候」、「早涼の候」 「立秋とは名ばかりの厳しい暑さが続いています。」 「土用あけの暑さひとしおの侯 残暑お見舞い申し上げます。」 「連日の熱帯夜で少々バテております。」 「寝苦しい夜が続きますが、お体にはお気をつけてお過ごしください。」 「夏休みはいかがお過ごしでしたでしょうか。」 「立秋を過ぎ、暑さもようやく峠を越したようです。」 |
9月 ~秋の匂いが深まる変わり目の季節~
9月は夏の厳しい暑さが終わりを迎え、徐々に秋らしさが深まる季節です。ただ、最近では9月でも30度を超える日が珍しくなく、残暑が続く時期でもあります。
9月によく使われる時候の挨拶 |
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「初秋の侯」、「仲秋の候」、「白露の候」、「秋分の候」、「黄葉の候」 「コスモスが風に揺れ、朝夕はしのぎやすくなって参りました。」 「朝夕は幾らか凌ぎやすくなってまいりました。」 「秋祭りの子供達が楽しそうに駆けてゆきます。」 「朝の空気に爽秋の気配が感じられる頃となりました。」 「燕(つばめ)が南の空に帰ってゆきます。」 「朝夕には多少の冷気を感じる頃となりました。」 「厳しかった夏の日差しも、秋風とともに和らいできました。」 |
秋(10・11・12月)の例文
10月 ~秋本番を迎え紅葉が美しくなる季節~
10月は涼しさが増し、爽やかな気候の秋本番を迎える季節です。スポーツの秋、食欲の秋などの表現に代表されるように過ごしやすく、事前でも紅葉が色鮮やかに輝きます。
10月によく使われる時候の挨拶 |
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「秋冷の侯」、「錦秋の候」、「霜降の候」、「紅葉の候」 「菊の花が香る季節となりました。」 「さわやかな秋晴れの日が続いております。」 「今年も田畑の実りがおいしい季節になりました。」 「通り過ぎる風に冷たさと寂しさを感じる今日この頃」 「スポーツの秋、味覚の秋となりました。」 「芸術の秋となりました。」 「天高く馬肥ゆる季節となりました。」 「秋の夜長をしみじみと感じるこの頃です。」 |
11月 ~落ち葉が目立ち冬に近づく季節~
11月は朝晩を中心に冷え込みが厳しくなり、落ち葉も目立ち始める季節です。秋を彩った紅葉も徐々に終わりを迎え、冬の気配を感じようになります。
11月によく使われる時候の挨拶 |
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「晩秋の侯」、「向寒の候」、「深冷の候」、「初霜の候」 「朝晩はめっきり寒くなって参りました。」 「日毎に寒さがつのり、冬の訪れを感じています。」 「道には黄色い銀杏の絨緞(じゅうたん)が敷きつめられています。」 「庭の紅葉も終わりを告げ、すぐ近くに冬の気配を感じる頃となりました。」 「木枯らしに一段と寒さを感じるようになりました。」 「こたつの恋しい季節になりました。」 |
12月 ~年の瀬に街も人も忙しない季節~
12月は年末の盛り上がりを見せ、街をイルミネーションが眩く照らす季節です。1年の労をねぎらい各地で忘年会が開催され、クリスマスなど華やかなイベントも控えています。
12月によく使われる時候の挨拶 |
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「初冬の侯」、「師走の候」、「歳末の候」、「寒冷の候」、「新雪の候」 「今年もおしつまって参りました。」 「師走に入り、あわただしい毎日が続いております。」 「寒さ肌にしみる頃、お変わりございませんでしょうか。」 「年の瀬の、寒さの身にしみる季節となりました。」 「年末霜寒のみぎり年末年始の準備にお忙しいと存じます。」 「木枯らしの音が身にしみる今日この頃となりました。」 「一年で最もあわただしい季節になりました。」 「師走に入り寒さも本格的になりました。」 「今年の師走は一段と冷え込むようです。」 |
冬(1・2・3月)の例文
1月 ~年の始まりに身も心も引き締まる季節~
1月は正月の楽しい時間を過ごした後、1年のスタートに気持ちを入れ替える季節です。新年の挨拶である年賀状は、日本の郵便物の代表的な存在であり、100年以上の伝統を誇ります。
1月によく使われる時候の挨拶 |
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「初春の候」、「新春の候」、「厳冬の候」、「列寒の候」 「寒中お見舞い申し上げます。」 「初空の晴れやかさに、幸多き一年を予感いたしました。」 「今年の初詣はどんな願い事をされたのでしょうか。」 「お正月気分も抜けてますます寒さが厳しくなってきました。」 「松もとれましたが、あいかわらず寒い日が続いています。」 「寒中には珍しく、うららかな日が続いております。」 「希望にあふれる新しい年をお迎えのことと存じます。」 |
2月 ~もっとも寒く真冬を実感する季節~
2月は暦の上では春でも、気候的には1年でもっとも寒さが厳しい季節です。バレンタインデー商戦に街は賑わいを見せ、家庭では冬の終わりを告げる節分が行われます。
2月によく使われる時候の挨拶 |
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「立春の候」、「晩冬の候」、「節分の候」、「春浅の候」、「残雪の候」 「立春とは名ばかりでまだまだ寒い日が続いております。」 「節分を過ぎましたのに、あいかわらず寒い日が続いています。」 「余寒の衰えぬ毎日を迎えております。」 「雪深い当地では、立春とは言え真冬の寒さが続いています。」 「何となく春の気配を感じられるこの頃でございます。」 「早咲きの梅もほころび始めました。」 |
3月 ~春の訪れを感じる年度の節目となる季節~
3月は年度末ということもあり、卒業や人事異動など何かとお別れの多い季節です。季節の移り変わりを象徴するかのように梅や桜などの花が咲き始めます。
3月によく使われる時候の挨拶 |
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「早春の侯」、「弥生の候」、「盛春の候」、「麗日の候」 「遠くの山々はまだ白雪をいただいております。」 「桃の節句を過ぎ、ようやく春めいて参りました。」 「旅立ちの春を迎え、日増しにあたたかさを感じています。」 「朝夕はともかく昼間はようやく凌ぎやすくなりました。」 「ひな祭りを終え、縁側の陽射しにも暖かさを感じる頃となりました。」 「桃の節句を過ぎ、今年の春は例年になく穏やかです。」 「啓蟄を過ぎ、小川の水もぬるんで参りました。」 「春分を過ぎ、桜の開花が待たれる頃となりました。」 |
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