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敬称の書き方|「様」「御中」「各位」の使い分け
敬称の間違いで会社の信用もガタ落ち?
宛名を書く際の正しい言葉の選び方
手紙や文書を取引先やパートナー会社に送る際に、ちゃんと正しい敬称を使えていますか? 敬称とは、相手や第三者に対して敬意を表し、名前や肩書きの後ろにつける接尾語のことです。そのため敬称の使い方を間違えることによって、先方に対して失礼となるだけではなく、送り主本人や団体の見識さえも疑われかねません。
宛名に使われる敬称には、さまざまな種類がありますが、こちらではとくに使用されることの多い、「様」「御中」「各位」の違いについてご紹介します。敬称の誤りをなくすためにも、まずはそれぞれの意味と状況に応じた使い方を理解しておきましょう。
多くの機会で使用される「様」「御中」「各位」の使い方
相手や第三者に対する敬意を表する敬称ですが、その中でも使用頻度が非常に高いのが、「様」「御中」「各位」の3つです。それぞれの特徴や違いについて事例を交えつつ、ご紹介します。
個人宛の敬称「様」の使い方
個人名の宛名に付ける敬称として、もっともいろいろな場面で使用されているのが「様」です。相手の地位・年齢・性別などに関係なく使用でき、氏名などの下につけることで尊敬の念を示せます。書き言葉・話し言葉の制限ない点も、広く一般的に普及している要因です。ただし、手紙や文書において仮名で「さま」や「サマ」と記載すると敬意がかなり薄らぐので、親しい間柄を除いて、とくにビジネスシーンでは漢字で「様」と書きましょう。
「様」と「殿」の使い分けとは?
個人名に使用される敬称には、様以外に「殿」があります。「殿」は殿様に使われていたように、一見すると「様」よりも敬意のこもった表現にも思えます。かつては官公庁や企業などの公的文書や表彰状の受賞者名などにも使われることの多かった表現ですが、近年では格下や同格の相手に使用する接尾語というのが一般的な見方です。団体から外部に向けの文書に使用するのはふさわしいとはいえません。
Pickup!「殿」は一般的に宛名が役職名の際に用いられます
外部に向けの文書には適さないと紹介した「殿」ですが、担当者がわからない場合など、宛名を「社長」や「部長」などの肩書きや役職名にする際には現在でも使用されています。ただし、手紙の宛先を明確にするために使う場合以外は一般的ではありません。文章中などには使用しないようにしましょう。
使用例:株式会社○○ 本部長殿
教育者や特定の職種の個人に宛てる「先生」
教師、講師などの教育関係者あるいは、医師、弁護士、会計士、牧師、議員、作家などの特定の職業に就く人の敬称に関しては、「様」ではなく「先生」が使用されるケースも多いです。また、「先生」に「様」や「殿」を重ねると二重敬称になってしまうので、使い方には注意が必要です。
「様」の正しい使い方と間違った使い方
では実際にどのようなシーンで「様」が使われ、どのような使われ方が間違っているのか。使用例とNG例をご紹介します。
【使用例1】個人名の場合:佐藤太郎様
【使用例2】ある団体の個人に使用する場合:本部長 佐藤太郎様
【NG例1】連名の際に「様」をいっしょにしてはいけない(※図を参照)
【NG例2】役職名を氏名の後につける場合:渡辺課長様
組織・団体に宛てる敬称「御中」の使い方
個人名ではなく、会社・学校・病院・役所など組織や団体に宛てる場合の敬称は「御中」になります。本来、役所やその部署の内部(みなか、おんなか)の方に宛てるときに使われており、その組織に属するすべての人を指す敬称であり、「組織内の人宛」という意味合いです。現在も、「○○株式会社 人事部御中」という使い方をします。もし宛先に部署名や課名を書く場合は、「社名→部・課名→御中」の順に書きます。
「御中」の正しい使い方と間違った使い方
では実際にどのようなシーンで「御中」が最適で、そうではないのか。使用例とNG例をご紹介します。
【使用例】組織名の場合:「○○株式会社御中」「○○株式会社△△事業部御中」
【NG例】宛名・敬称を重ねる場合:「○○株式会社御中 人事部長殿」
返信用はがきや封筒の「行」の書き換え
応募用はがきなどで、会社名や部署名の後が「行」となっているのを見たことがあるかと思います。こちらは返信をするときに「行」を「御中」に書き直すのは一般常識です。うっかり「行」のまま返信してしまうと、相手先からの印象を悪くしたり、常識がないと思われたりしてしまうこともあります。また、ご自身や会社で返信用はがきや封筒を送る際も注意が必要です。その場合は反対に「御中」の表記を用いず、「行」とする必要があります。
複数の人に宛てる「各位」の使い方
複数の個人を対象とする場合の敬称には「各位」が使われます。
主にビジネス文書や案内状などのお知らせの書面に使用されます。本文の冒頭によく使われる敬称であり、はがきや封筒の宛名書きには適さないので、その点は注意が必要です。また、「各位」は皆様、皆様方という意味があるので、「○○会員各位様」のように「各位」のあとにさらに敬称として「様」を入れるのは間違った使い方となります。
「各位」の正しい使い方と間違った使い方
では実際にどのようなシーンで「各位」が使われ、使用が適さないのか。使用例とNG例をご紹介します。
【使用例】複数の人たちに対する敬称として使われる場合:「関係者各位」「会員各位」「株主各位」「担当各位」「保護者各位」「父兄各位」
【NG例】各位の後ろに「様」「殿」を付ける場合:「○○会員各位殿」「○○関係各位様」
Pickup!注意すべき「お客様各位」という表現
近年では、顧客相手に「お客様各位」という表現が使われ、一般的になりつつあるそうですが、もともとの意味を考えるとこの表現は間違いです。各位には元々皆様や皆様方の意味があるので、二重敬語になります。相手先によっては見識が疑われることにもなりかねないので、「お客様各位」という表現は極力使用しないことをおすすめします。
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