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「信書」とは?送る前に確認したい信書の豆知識
通常、手紙を送る際は郵便ポストに投函するか、あるいは郵便局に手配をお願いするという手段を取るでしょう。宅配サービスの充実が著しい昨今では、手紙に関しても郵便以外でまとめて送付することを考える方もいるかもしれませんね。
しかし、それは場合によっては“違法”になってしまう可能性があります。知らないうちに法律に引っかかってしまうことがないように、今回は信書について詳しくご説明します。
押さえておくべき信書の概要・定義
手紙やはがきなどの「信書」と呼ばれる文書は、日本郵便の一般信書便事業がその取扱いを実質的に独占しており、それは郵便法で定められています。つまり、手紙やはがきなどの「信書」をメール便など郵便以外の方法で送付すると、輸送業者だけでなく、送り主も“郵便法違反”と見なされるのです。この事実を知らずにメール便などで信書を送ってしまった経験がある方もいるかもしれません。
ちなみに「信書」とは、総務省のガイドラインでは“特定の受取人に対し、差出人の意志を表示し、又は事実を通知する文書”と郵便法第4条第2項によって定められ、基本的通信手段の確保や、通信の秘密の確保を目的としたものとされています。(個人情報を含むか否かではありません)
ただ、この説明では言葉の意味がわかりづらいので、以下でそれぞれの重要語句について説明します。
「特定の受取人」とは
差出人が意志の表示・事実の通知を受ける人として定めた人を指します。これは民法上の自然人・法人に限定されず、法人格でない団体や組合なども含まれます。文書の中に受取人が記載されている場合、その文書が「特定の受取人」に宛てたものだとわかります。しかし、その記載がない場合でも、内容から受取人の記載が省かれていることがわかるものであれば、「特定の受取人」に宛てたものとして扱われます。
「意志を表示し、又は事実を通知する」とは
差出人の考えを表したものや、現実に起こること・存在する事柄などの事実を伝えることを指します。
「文書」とは
文字・記号・符号など、人が認識できる情報が記載された紙やその他の有体物のことを指します。ただし、CD・DVD・USBメモリなどに電子データとして記載されたものは、文書扱いにならないため信書にはなりません。
信書に該当する/しない文章の具体例
上記で説明したように、信書は非常に判別しづらいのが特徴です。しかし、間違えて郵便以外の配達手段を利用すると罪に問われる危険性があるので、該当するもの・しないものを事前に把握しておきましょう。主に以下のように分類することができます。
信書に該当する | 信書に該当しない |
・書状 ・請求書など ※納品書・領収書・見積書・申込書・契約書・注文書などを含む ・会議招集通知 ※結婚式などの招待状・業務を報告する文書を含む ・証明書など ※免許証・認定書、表彰状などを含む ・DM(ダイレクトメール) ※文書自体に受取人が記載されているもの・特定の受取人に差し出す趣旨が明らかであるもの |
・書籍など ※新聞・雑誌・会報・カレンダー・ポスター・卒業論文・設計図書などを含む ・カタログ ※街頭、新聞折り込み、店頭などでの配布を前提として作成されたもの ・小切手など ※手形・株券・為替証券 ・プリペイドカードなど ※商品券・図書券・プリントアウトした電子チケット ・乗車券など ・クレジットカードなど ・会員証など ※入会証・ポイントカード・マイレージカードなど ・ダイレクトメール ※街頭、新聞折り込み、店頭などでの配布を前提として作成されたもの ・その他 ※説明書・求人票・配送伝票・名刺・振込用紙など |
信書か否かの判断が必要な場合は、まずは上記の内容を確認するようにしましょう。詳細を知りたい方は、総務省のWebサイトにある信書のガイドライン(http://www.soumu.go.jp/yusei/shinsho_guide.html)に目を通すことをおすすめします。
信書かどうかの見極め方の例
判別が難しい信書ですが、その線引きは特定の書類を除いて内容が基準となります。そのため、同じ文書であっても、送付する状況やわずかな文面の違いによって信書になる場合とならない場合があります。ではダイレクトメールを例に、「信書となるもの」「信書とならないもの」の一部を確認しましょう。
信書となるダイレクトメール | 信書とならないダイレクトメール |
・文書自体に受取人が記載されている文書 ※「会員の皆様へ」などは“会員の方”と受取人が特定されるため信書扱いとなる ・商品の購入等利用関係があることを示す文言が記載されている文書 ※「先日は○○をご購入いただきありがとうございます」などは“購入者”という特定の受取人に宛てたものは信書扱いとなる ・その他の差出人が特定の受取人に差し出す趣旨が明らかとなる文言が記載されている文書 ※「お誕生日おめでとうございます。○月にお誕生日を迎える方に割引を」など特定の受取人に宛てて意志・事実を通知しているため信書扱いとなる | ・「お客様各位」は商取引上の慣用語として使用されているため、受取人を特定しているとは言えない ・「日ごろのご利用ありがとうございます」は商取引上の慣用語として使用されているため、受取人を特定しているとは言えない ・「お得なサービスのお知らせ」などのチラシに一般的な情報のみを載せた場合は、特定の受取人に宛てたものと言えないため信書扱いとならない |
上記の例は一部なので、詳細を知りたい方は総務省のWebサイトの「第11回意見交換会」での配布資料「信書の定義について」(http://www.soumu.go.jp/yusei/ikenkoukankai11.html)をご覧ください。
また上記以外にも、郵便法第4条3項の但し書きには「ただし、貨物に添付する無封の添え状又は送り状はこの限りではない」とあります。つまり、主な郵送物があり、その郵送・郵送物に関する説明書きを記載した文書であれば添えても違反にはならないことになります。
まとめ:心配な場合は信書か否か1つずつ確認することが大切
信書か否かの線引きについては総務省のガイドラインに明記されていますが、判断が難しいものも多く、知らずして信書を郵便以外の方法で送付すると郵便法及び信書便法違反となる恐れがあります。そのため、まずは送付前に「特定の受取人」「意志を表示し、又は事実を通知する内容」「文書」の3点に関しては特に注意しましょう。「信書かどうか判断できない」というケースにおいては、総合通信局や総務省に確認することがベストな判断だと言えます。別のコラムを読む
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